【中高生】勉強の仕方がわからない…原因と科目別の取り組み方やコツを解説
2025.12.24
ファミリー 代表 寺井俊行
「勉強しているのに成績が上がらない」「どう勉強すればよいのかわからない」
そんな悩みを抱える中高生は少なくありません。
実は「勉強の仕方がわからない」という悩みはごく一般的なものです。東京大学社会科学研究所とベネッセ教育総合研究所の調査では、小学4年生から高校3年生の約67.5%が「上手な勉強のしかたがわからない」と答えています。
この記事では、その原因を丁寧に紐解きながら、今日から実践できる具体的な勉強方法を科目別に紹介します。まずは、子どもがどこでつまずいているのかを一緒に確認していきましょう。
出典:東京大学
「上手な勉強のしかたがわからない」という悩みが約 7 割に増加~ “学習方法の理解”は学習意欲と成績の向上に効果があることが明らかに~
「勉強の仕方がわからない」となるのはなぜ?
勉強の仕方がわからないという悩みは、決して能力の問題ではありません。むしろ、勉強方法そのものを教わる機会が少ないことが大きな要因です。
とくに中学生や高校生は、学習内容が一気に難しくなるため「どこから手をつければよいのか」と戸惑いやすくなります。
ここでは、多くの中高生が陥りやすい4つの原因を順に見ていきます。
勉強する方法を教えてもらっていない
学校では、数学の公式や英語の文法といった知識そのものは教えてくれます。しかし「どうやって効率よく覚えるのか」「どのように計画を立てればよいのか」といった勉強方法を学ぶ機会は、実は多くありません。
知識は教えてもらえても、その知識を自分の中に落とし込み、自在に使えるようにするには、どうしても自分で試行錯誤する必要があります。授業で理解することと、それを自分の力として定着させることは、まったく別のステップなのです。
勉強の目的や目標が定まっていない
目標がないまま勉強を続けるのは、地図を持たずに知らない土地を歩くようなものです。どこへ向かえばよいのかが見えず、気持ちも前に進みにくくなります。
とくに勉強は成果が出るまで時間がかかるため、明確な目標がないと途中で迷いやすくなります。
「次のテストで数学を20点アップさせる」「3か月後の模試で偏差値55を目指す」といった具体的な目標があることで、何をどれだけ進めればよいのかという計画が立てやすくなります。
もし目標が曖昧なままだと、達成感を得られないままモチベーションが下がり、悪循環に陥りやすくなります。
【独自アンケート】保護者から見た子どもの家庭学習の現状
全国の保護者250名に「子どもの家庭学習に関する最も大きな悩み」を尋ねたアンケートでは「自主的に取り組まない」が38.6%、続いて「集中力が続かない」が21.2%と多くの割合を占めました。
この結果から「勉強の仕方がわからない」という悩みには、知識やテクニックの不足だけでなく、勉強に向かう姿勢そのものに課題があることが見えてきます。
そして、この姿勢には目的や目標が曖昧であることも深く関わっています。自分の中に明確な目的意識がなければ、人は行動を起こしにくくなるのです。
「何のために取り組むのか」「どこまでできるようになりたいのか」を意識するだけでも、勉強への向き合い方が変わります。勉強を始める前に、まずは具体的なゴールを描いてみましょう。
自分の苦手な科目や分野がわかっていない
「『どこがわからないのか』がわからない」という状態は、勉強の仕方がわからない状態を生み出す大きな要因です。
自分の弱点を客観的に把握できていないと、効率的な学習計画は立てられません。気づかないうちに得意な範囲ばかり繰り返して満足したり、苦手な部分を避け続けたりしてしまうのです。
とくに、中高生の学習内容は積み重ねが重要です。苦手分野を放置したまま先に進むと、理解が追いつかなくなり、後から取り返すために何倍もの時間がかかってしまいます。
勉強につまずく原因は一人ひとり異なるため、まずは「何が苦手なのか」を正しく把握することが大切です。
もし、家庭だけで状況を見極めるのが難しい場合は、プロによる学習診断を活用するのもひとつの方法です。子どもの現在地を客観的に知ることで、最適な勉強法が見えてきます。
表面的な理解に留まっており実際には身についていない
「教科書を読んだだけ」
「ノートにきれいにまとめただけ」
こうしたインプットだけで満足していないでしょうか。
手を動かしていると、勉強した気になるものです。しかし「いざ問題を解こうとすると、まったく手が出ない…」といった現象が起こるときがあります。これは、知識が「わかったつもり」の段階で止まっているために発生していることです。
本当に理解できているかどうかは、自分の言葉で説明できるか、実際に問題を解けるかで確かめられます。「問題を解く」「人に説明する」といったアウトプットを通じてこそ、知識は使える力として定着していくのです。
もし、家庭だけで状況を見極めるのが難しい場合は、プロによる学習診断を活用するのもひとつの方法です。家庭教師のファミリーでは、家庭の教育顧問として、完全1対1の指導に加え、学習相談や進路のアドバイスまで包括的にサポートしています。
勉強の仕方がわからない場合にまずやるべきこと
勉強の仕方がわからないと感じたときは、いきなり問題集に取りかかるのではなく、まず学習の土台を整えることが大切です。焦って行動しても、方向がずれていると成果につながりにくくなります。
ここでは、効果的な勉強を始めるための3つのステップを紹介します。
最初の一歩を踏み出す手がかりとして、ぜひ参考にしてください。
達成したい目的・目標を設定する
まずは、自分が何のために勉強するのかを明確にしましょう。目標は、長期・中期・短期の3段階で立てると効果的です。
長期目標は「志望校合格」といった大きなゴールです。中期目標は「3か月後の模試で偏差値60」のように、数か月先の具体的な数値目標を指します。そして短期目標は「今週中に英単語100個を覚える」といった、すぐに達成できる小さなゴールです。
短期目標を具体的に決めるほど、毎日のやるべきことが明確になります。その結果、目標を達成しやすくなり、小さな成功体験を重ねていけます。
勉強の内容は学校の授業を基準にする
「何を勉強すればよいのかわからない」と悩んだときは、まず学校の授業をしっかり理解することに集中しましょう。
中高生の学習内容は、授業の進度に合わせて体系的に組み立てられています。定期テストも基本的に授業内容から出題されるため、授業を理解することこそが最も効率的な勉強になります。
もし授業を聞いていてわからない部分があれば、無理に先へ進まず、その段階まで戻って復習することが大切です。学校の教科書や配布プリント、ノートを確実に理解することが、勉強の基本となります。
学習計画を立てる
目標が決まったら、それを達成するための学習計画を立てましょう。
効果的な計画の立て方は、ゴールから逆算することです。テストの日までに何をどれだけ進める必要があるのかを考え、1週間単位、1日単位へと細かく落とし込んでいきます。
また「いつ、何を、どのくらい」勉強するのかを具体的に決めることがポイントです。
ただし、計画を細かくしすぎるとプレッシャーになり、続けにくくなることもあるでしょう。週に1日は予備日を作るなど、余裕を持たせた計画にすると続けやすくなります。
【中学生・高校生】科目別!おすすめの勉強方法
科目によってつまずき方はまったく異なります。どの勉強を優先すべきか」を正しく判断するだけで、成績の伸びは大きく変わるでしょう。
ここからは、主要5教科それぞれについて、具体的で実践しやすい学習方法を紹介していきます。自分に合う方法を見つけるきっかけとして、ぜひ参考にしてみてください。
英語
英語は「読む・書く・聞く・話す」の4技能をバランスよく伸ばすことが求められます。
その土台となるのが、単語と文法です。
まずはこの2つをしっかり固めることで、長文読解や英作文、リスニングといった各技能の力が伸ばしやすくなります。まずは、ここから段階的に学習を進めていきましょう。
単語・文法
英単語は、毎日少しずつスキマ時間を使って覚えるのが効果的です。通学時間や休み時間など、ちょっとした空き時間に単語帳を開く習慣をつけましょう。
暗記のコツは、夜寝る前に覚えることです。記憶は睡眠中に整理されて定着するため、寝る前の時間帯は暗記に適しています。
文法は、教科書や参考書を繰り返し解き、パターンを身体に染み込ませることが大切です。反復するほど理解が深まり、長文読解や英作文にも生きてきます。
リーディング
長文読解力を高めるには、多くの英文に触れることが重要です。時間を計りながら問題を解くと、テスト本番に必要な時間配分の感覚が身につきます。
また、読み進める中でわからない単語が出てきたときは、前後の文脈から意味を推測する練習も欠かせません。すべての単語を辞書で調べるのではなく、文脈を手がかりに意味をつかむ力が、読解力を大きく伸ばしてくれます。
ライティング
英作文は、基本的な単語と文法を使いこなせるようになってから取り組むのが効率的です。まずは簡単な例文を暗記し、その型を応用しながら自分の表現を広げていきましょう。
例文の型を身につけることで、文章を組み立てるときの迷いが減り、スムーズに書けるようになります。
スピーキング
英語を話す力を伸ばすには、まず声に出して読むことから始めましょう。教科書の英文を音読する習慣をつけると、英語の発音やリズムが自然に身についていきます。
音読は、単に話す力を鍛えるだけでなく、リスニング力の向上にもつながります。耳と口を同時に使うことで、英語を理解する基礎がしっかりと育っていきます。
国語
国語は、すべての教科の基礎となる読解力を養う重要な科目です。文章を正確に読み解く力が身についていると、ほかの教科の理解もしやすくなります。
どの科目に取り組む場合でも、まずは文章を読み取り、内容を整理する力が欠かせません。国語の学習は、その土台をしっかり築く役割を果たします。
現代文
現代文の力を伸ばすには、語彙力の強化と論理的な読解力の両方が欠かせません。
知らない言葉に出会ったときは、必ず辞書で調べる習慣をつけましょう。漢字の読み書きも、毎日少しずつ積み重ねることで確かな力になります。
文章を読む際は、主語と述語の関係を意識しながら、一文一文を丁寧に追うことが大切です。さらに、段落ごとに要点をまとめる練習をすると、文章全体の構成が見えやすくなり、理解がぐっと深まります。
古文・漢文
古文・漢文は、まず基本的な単語と文法を覚えることから始めましょう。音読や聞き取りを取り入れると、言葉のリズムに自然と慣れ、記憶にも残りやすくなります。
文法の基礎が固まった段階で読解演習に進むと、内容がぐっと理解しやすくなります。基礎を押さえてから応用へ進むことで、学習が滑らかに進むようになります。
数学
数学は「積み上げの教科」といわれます。基礎から順番に理解していかないと、後から学ぶ内容がまったく理解できなくなってしまうのです。
まずは公式や解法パターンを理解し、ひとつずつ着実に覚えていきましょう。
数学は、何より演習量が物を言う教科です。基本問題から取り組み、慣れてきたら徐々に応用問題へと進んでいきます。
同じ問題集を繰り返し解き、できない問題がなくなるまで徹底的にやり込むことが大切です。この積み重ねが、自信と得点力につながっていきます。
理科
理科は、単なる暗記科目ではありません。「なぜそうなるのか」という現象の仕組みや背景を理解することが、応用問題に対応するうえで欠かせません。
原因と結果のつながりを意識しながら学ぶことで、公式や用語がただの情報ではなく、意味を持った知識として定着していきます。
物理
物理は公式を理解して暗記し、そのうえで基本問題から段階的に演習を積み重ねていくことが王道です。基礎となる公式の意味をつかんでおくと、問題に合わせてどの公式を使うべきか判断しやすくなります。
化学
化学は、理論化学、無機化学、有機化学といった分野ごとに特徴があります。それぞれの基礎をしっかり固めてから次の分野へ進むことで、理解が滑らかにつながっていきます。
基礎を押さえておくと、難しい内容に触れたときでも混乱しにくくなり、応用問題にも対応しやすくなります。
生物
生物は用語を覚えることも大切ですが、実験や観察を通じて、理論と実際のつながりを理解することが重要です。
教科書に載っている図や写真をよく観察し、実際の現象を思い浮かべながら学習を進めましょう。仕組みをイメージできるようになると、暗記が必要な内容も整理されやすくなり、理解が深まります。
社会
社会は暗記科目と思われがちですが、単なる用語の丸暗記では応用問題に対応できません。時代や事象の背景、そして因果関係を理解しながら覚えることが効率的です。
流れやつながりを意識すると、情報が関連づけられて記憶に残りやすくなり、複雑な問題にも取り組みやすくなります。
地理
地理は、地図や資料集を積極的に活用することが大切です。まずは、気候や地形といった系統地理を理解し、そのうえで各地域の特徴を学ぶ地誌へ進むと、知識が定着しやすくなります。
基礎となる仕組みを把握してから地域ごとの学習へ広げることで、情報のつながりが見えやすくなり、理解が一段と深まります。
歴史
歴史は、年号や用語をただ覚えるのではなく、出来事の流れや因果関係を意識しながら学ぶことが重要です。
「なぜその出来事が起きたのか」という物語として理解すると、内容が整理されやすくなり、記憶にも残りやすくなります。出来事同士のつながりが見えてくると、複雑な時代の流れも理解しやすくなるでしょう。
公民
公民は、法律や政府機関の役割といった基本的な概念をまず理解することから始めましょう。教科書や参考書に載っている図表を活用すると、知識が整理されやすくなります。
さらに、ニュースや新聞で取り上げられている話題と結びつけて考えると、学んだ内容が実生活と関連づき、理解が一段と深まります。
日々の勉強を効率よく続ける方法
勉強の仕方がわかっても、それを継続できなければ意味がありません。学んだ内容を定着させるには、毎日の積み重ねが欠かせません。
ここでは、日々の学習を効率的に続けるための具体的なテクニックを紹介します。今日から取り入れられる方法ばかりなので、無理なく習慣化するきっかけになります。
まずは集中できる環境を整える
集中力を高めるためには、勉強する環境づくりが欠かせません。
まず、勉強する場所を決めましょう。いつも同じ場所で学習すると、脳が自然と集中モードに入りやすくなります。スマートフォンやゲーム機など、誘惑になるものは視界から遠ざけてください。
さらに、室温を18〜25℃程度に保つと快適に過ごせます。環境が整うだけで、集中力の持続が驚くほど変わってきます。
時間帯によって勉強内容を変える
脳の働きは時間帯によって異なります。この特性を活かした勉強法を実践してみましょう。
朝は、睡眠によって脳がリフレッシュしているため、思考力を必要とする応用問題や新しい単元の学習に向いています。
一方、夜は記憶が定着しやすい時間帯です。寝る前に英単語や歴史用語といった暗記系の勉強をすると、睡眠中に記憶が整理されて定着しやすくなります。
教科書や参考書を繰り返し音読する
音読は、暗記科目や古文・漢文、英語などにとくに効果的です。声に出して読むことで、目で見るだけの学習に比べて、耳からも情報が入ってきます。
理解度を高めるためには、同じ内容を複数回繰り返し読むことが大切です。音読を習慣にするだけで、記憶への定着率がぐっと上がります。
スキマ時間を活用する
通学時間や待ち時間など、生活の中には多くの「スキマ時間」があります。こうした細切れの時間を有効に使うことで、忙しい中高生でも学習時間をしっかり確保できます。
単語帳を常に持ち歩いたり、スマートフォンに暗記アプリを入れたりして、いつでもどこでも勉強できる準備をしておきましょう。スキマ時間を積み重ねるだけで、学習量は大きく変わっていきます。
ストップウォッチを使って勉強する
時間を計りながら勉強すると、集中力を維持しやすくなります。ストップウォッチ勉強法では、制限時間を設けて問題を解くため、テスト本番と同じ緊張感を体験できます。
ポモドーロテクニックと呼ばれる方法もおすすめです。これは25分勉強して5分休憩する流れを繰り返すもので、短いサイクルで集中を保ちやすくなります。
このように勉強時間を積み上げていくことで、自分がどれだけ努力したかが見える化されます。
一気に覚えよう・解こうとしない
短期間での詰め込み学習は、長期的な記憶として定着しにくいものです。一度に大量の暗記項目を覚えようとするのではなく、学習範囲を小分けにし、何度も繰り返し触れることが大切です。
反復学習を続けることで、知識は徐々に定着していきます。少しずつ積み重ねる姿勢が、結果的に大きな力につながります。
まとめ
「勉強の仕方がわからない」という悩みは珍しいことではありません。大切なのは、ただ勉強時間を増やすのではなく、自分に合う方法を見つけ、計画から実行、振り返りの流れを身につけることです。
とはいえ、保護者が一生懸命サポートしようと手を差し伸べても、思春期の子どもは悩みを抱え込みやすいものです。
そんなときは、家庭教師の存在が大きな助けになります。
第三者の大人がそっと寄り添うことで、子どもの気持ちが軽くなり、勉強へのハードルが下がりやすくなるでしょう。
家庭教師のファミリーは、創業23年、指導実績3万人以上の完全1対1指導で、お子さまの自立学習力を育てます。受験やテストのために成績を伸ばすのではなく、目標に向けてお子さま自身が努力し、成績を「維持」できるやり方を身につける指導です。
教育顧問として寄り添い、夢に向かって自走できる力を一緒に育てていきます。まずはLINEからお気軽にご相談ください。
家庭教師のファミリーでは、豊富な指導データをもとに指導メソッド・指導ノウハウを活かし、お子さま一人ひとりの性格や学力、環境に合わせたマンツーマン指導を行っております。
お子さまの学習に関してお悩みの際にはぜひお問い合わせください。
著者ファミリー 代表 寺井俊行
大学生の家庭教師が主流の中、顧客からのより専門的で高度な要求に応えるため、教師のプロフェッショナルとして、質の高い授業を提供。
常にハイレベルな授業を提供できるように、日々指導法や教材の研究等を行い、また、大学生や一般の家庭教師に対して研修や授業のアドバイスを行うことで、ファミリー全体の授業スキルの向上を図っています。
お電話でのお問合せ
フリーダイヤル
14:00〜21:00
(日祝休み)
- 教育情報コラム
- 先輩たちの成功体験談
- ファミリーの賢い利用法
- 勉強お役立ち資料
お電話でのお問合せ
フリーダイヤル
14:00〜21:00
(日祝休み)



