子どもの自己肯定感を高める方法、低いまま放置すると危険な理由を解説!

やる気の出し方

2023.03.30

ファミリー 代表 寺井俊行

こんにちは!家庭教師のファミリーです。

 

子どもの自己肯定感は、日常生活だけでなく、学力にも影響を与えます。
一般的には、大人と同じように自己肯定感が高いほど、子どもは生き生きと前向きに学習に取り組むことができると言われています。

 

では、子どもの自己肯定感を高めるためには親をはじめ、周りの大人はどのように対応すればいいのでしょうか?

 

自己肯定感は自己受容というものがベースにあるので、今回は子どもの自己受容のことや、自己肯定感を高める方法・自己肯定感低下の問題点について解説します。

 

 

自己受容・自己肯定感とは?正しい自己受容を得ることが大事

「自己受容」とは、自分の良いところも悪いところも理解し、ありのままの自分を受け入れること。
この自己受容ができた上で、自分という存在自体に価値があるんだと思える感覚になることが「自己肯定感」です。

 

実は、一見自分のことが好きで自信があっても、それは調子の良い時の自分や理想の自分のイメージであることも。

 

そのため、自己受容という土台がしっかりできていないと、何かトラブルが起きた時や、失敗した時に自己肯定感が一気に崩れてしまうことにもなりかねません。

 

「自分は自分であり、自分だからいいんだ」と思えれば、他者と比べて自信を失ったり、相手に合わせて意見を言えなくなったりということもなくなります。
意見が違っても、自信を持って主張することができる上、他者に対しても受け入れることができるようになります。

 

そのため、子どもの自己肯定感を高めたいと思ったら、まずは正しい自己受容を得られるようにしてあげることが重要です。
なぜ自己受容できなくなってしまうのか、どうすれば自己受容できる子どもになるのか、という点については、これから詳しくお話ししていきます。

 

 

 

 

子どもの自己肯定感を高めることは、親だからできる贈り物

「自分には価値がある」「自分には力がある」「自分は大切にされている」ことを理解し、自分を信じることのできる力。
この感覚は、子どもの人生に大きな影響を与えます。

 

自己肯定感が低いと、内向的な傾向が強くなり、消極的で自信がなく、何事もネガティブに捉えてしまい、生き方や対人関係に大きな影響を与えてしまうことになりかねません。

 

正しい自己受容ができ、自己肯定感が高まれば、自分だけでなく周りや相手のことも尊重しながら前向きに生きていくことができます。

 

自己受容・自己肯定感が作られる土台となる部分は、主に親の言動や行動からの影響、思春期までの経験・体験によって形成されます。

 

大人になってからある程度矯正することはできますが、そもそも自覚していないことが多く、精神的なダメージ、心の傷を負って医療機関にかかってはじめて気付くというケースも決して珍しくはありません。

 

一度身に付いてしまった自己認識を変えることは、そう簡単ではなく、時間も労力もかかります。
しかも、必ず変わるというわけではなく、中にはさらに悪化してしまうというケースもあります。

 

つまり、子どもに充実した幸せな人生を送ってもらいたいと願うのであれば、幼少期から思春期にかけて周りの大人、特に親が子どもに正しい自己受容を身につけさせ、自己肯定感が高まるような働きかけをしながら育てることが大変重要なポイントとなるのです。

 

 

 

 

自己肯定感を高めるメリット

文部科学省が高校生を対象に行った調査では、自己肯定感が高い子どもの方が、「挑戦心、達成感、規範意識、自己有用感(自分が役に立っているという意識)などに関する意識が高い」という調査結果が出ています。
また、自己肯定感が高い子どもの多くは、勉強に対する意欲も高いという結果も報告されています。

 

自己肯定感の高まりは自己に対する信頼を深め、ポジティブな考え方やさまざまな物事への挑戦心を育てます。
自分を尊重することは他人を尊重することにもつながるため、周りの人とも良好な関係を築きやすくなり、信頼できる多くの仲間と一緒に充実した素晴らしい人生を過ごすことにつながるでしょう。

 

このように、自己肯定感の高まりは子どもにとって人生をも左右するほどの大きなメリットとなり、また将来の基礎を作るための学業・学習意欲にも影響します。

 

残念ながら日本の子どもは諸外国と比べ、この感覚が低い傾向にあります。
そのことはすでに述べたように、子どもの自己受容・自己肯定感が上手に育めていないことに起因しています。

 

この傾向を改善するには、親や周りの大人が子どもの成績を気にするだけでなく、その前に子どもに正しい自己受容を身につけるように働きかけて、さらには自己肯定感の高まりを意識した親の声かけや行動がとても重要になります。

 

 

 

 

子どもが自己受容できない・自己肯定感が低い原因は?

自己受容が正しく出来ない人は、幼少期から「〜するべき」「こうあるべき」という思考が、親の影響により根付いてしまっていることが多い傾向にあります。

 

「こうするべき(あるべき)なのに、できていない」というように、自分の意思ではなく、他者や他の要素から影響を受けてしまい、その結果として自分自身で自分のことを認めてあげることができなくなってしまうのです。

 

「○○は本当にえらいね」「○○ができて、いい子だね」というように、一見褒めて自信をつけている言葉でも、「えらいと思われる行動・いい子でいることで親に認められる」「そういう自分でいないと嫌われるかもしれない」という思いで、親や他者からの期待に応えられない自分を自分でダメだししてしまい、容認できなくなってしまうケースもあります。

 

また、こんな行動も自己受容できない・自己肯定感が低くなる原因になります。

 

  • ・子どもの話を聞かない
  • ・子どもに決定権・考える余地を与えない
  • ・結果だけで判断する
  • ・子どもを否定する

 

子どもが話すときに、周りの大人がきちんと聞いてあげないと、その子の自己肯定感は下がります。
「話を聞かない=あなたに興味がない」と感じ、子どもが自分には価値がないと思ってしまうためです。

 

また、生活や勉強に関することを全て周りの大人達が決めてしまうと、子どもは「自分の意見は尊重されない」と、自己肯定感を下げてしまいます。
必要以上に厳しいしつけや過保護は、自己肯定感の低下につながります。

 

子どもの行動に対し、周りの大人が結果だけを見て判断していると、その子は結果ばかりを気にして失敗を恐れ、積極的な挑戦ができなくなってしまいます。
結果だけを褒められていると「成功した自分しか認めてもらえない」と感じ、自己肯定感の低下につながってしまうのです。

 

そして、子どもを否定する言葉や態度は、自己肯定感を低下させます。
「何でできないの」「だからダメなのよ」「お兄ちゃんはできたのに」など、子ども自身を否定する言葉をかけていませんか?

 

失敗したときや悪いことをしたときでも、子ども自身を否定するのはやめましょう。
自己受容ができていないまま、自己肯定感が低いと、以下のような状態になりやすいです。

 

 

 

 

自己肯定感の低い子どもの特徴・低いままのリスクとは

  • ・挑戦を避けてしまう
  • ・自分の意見を言わない
  • ・すぐにあきらめてしまう
  • ・褒められても喜ばない、受け入れない
  • ・叱られると極端に自分を責める

 

自己肯定感が低い状態だと、物事をネガティブに捉えてしまいがち。
そのため、失敗を恐れて挑戦を避けたり、挑戦しても「どうせダメだから」とすぐにあきらめてしまったり、人に合わせて自分の意見を言わなかったりする子も多いです。

 

また、褒められても「褒められるに値することをしていない」と素直に受け入れない一方で、叱責には過敏に反応し、自分を責めて落ち込んでしまうケースも。
自分への自信のなさが、このような形で現れてしまうのです。

 

自己肯定感が低いままだと、物事をネガティブに考えてしまうようになります。
失敗を恐れて挑戦できず、褒め言葉もうまく受け入れられず、積極的に毎日を生きることができません。

 

これは、学習面でも同様です。
自己肯定感が低いと積極的に新しいことを学ぶことができず、知識を増やしていくことが難しくなってしまいます。
テストの結果や成績が重いプレッシャーになってしまうこともあるでしょう。

 

例として、仙台市の小中学校を対象にした調査では、「自己肯定感の上昇群は学力も上昇し、自己肯定感の下降群は学力も下降した」ことがわかっています。
つまり、自己肯定感は学力にも大きく関係するのです。

 

子どもの自己肯定感を低いままにしておくことは、子どもの生活や学習において、また将来において好ましくない影響を与えます。

 

子どもの学力を上げるため、またポジティブな人生を送ってもらうためには、自己肯定感を高めることが必要です。

 

 

 

 

子どもの自己肯定感を高める方法とは?親が気を付けること


最後に、子どもが自己受容できるようになり、自己肯定感を高めるために、親や周囲の人ができることをご紹介します。

 

 

 

子どもの話をよく聞き、肯定する

子どもが話しかけてきたときは、その内容をよく聞き、肯定的な対応を取ってあげるようにしましょう。

 

「話をよく聞く」「肯定する」といった対応は、自分が1人の人間として認められているという自信になり、自己受容ができるようになります。
その自信は自分の価値に繋がり、自己肯定感が高まるきっかけにもなるのです。

 

とは言え、忙しくて話を聞くのが難しいというときや、子どもの意見に賛同しかねるということもあるでしょう。

 

話を聞く時間が取れないときには「後で必ず聞くからね」という対応でも大丈夫です。
まずは「あなたの話を聞く用意がありますよ」ということを、子どもが感じられるようにしましょう。

 

子どもの話に疑問を感じても「それは違う」と途中で口を挟まず、子どもの考えや意見を認めたうえで考えを伝えるようにします。

 

学習面での間違いについても、まず「どうしてこの答えになったのか」をよく聞いてから、正しい考え方へと導いてあげるといいですね。

 

 

 

頭ごなしに否定しない・意見を押しつけない

親はどうしても、子どもをいい方向に導こうとするあまり、意見を押しつけてしまいがちです。
また、失敗や悪いことに対して、頭ごなしに否定して叱るのは好ましくありません。

 

決めつけや押しつけがあると、子どもは自分の意見をわかってもらえないという気持ちになりやすく、本当の自分を出しにくくなります。

 

子どもにできないことがあるのは当たり前。
それを受け入れてあげることで、子どもは自己受容できるようになり、自己肯定感も高まります。

 

失敗については「がんばったんだから大丈夫、次またチャレンジすればいいよ」と受け入れ、悪いことについては「これから気をつけようね」と寄り添ってあげるようにしましょう。

 

テストの点や成績が悪くても、結果だけを見て叱るのではなく、なるべく長所に注目するようにして前よりも伸びたところや自分なりに努力した点を認めてあげましょう。

 

普段、学校や塾では減点主義で評価されていますので、せめて親だけは加点主義で子どもを評価してあげましょう。

 

外でも家でも減点主義で評価されてしまっては、子どもも逃げ場がありません。
家に帰れば温かく迎え入れてくれる環境があれば、外でどんなに辛いことがあったとしても、またがんばろうと思えるようになるのです。

 

 

 

子どもに自由を与える

自己肯定感を向上させるには、子どもにある程度の自由を与えることも重要です。

 

支配・管理する立場ではなく、サポートする立場になり、子どもを信じて「子どもに選択させる」「子どもに考えさせる」など決定権を託すことも、「自分という存在に価値があるんだ」という気持ちになり、自己受容・自己肯定感に繋がります。

 

「大人に信頼されている」という自信や行動後の達成感も生まれるでしょう。

 

学習面や生活面も勉強時間やルールなどは一方的に押しつけるのではなく、子どもの意見も聞いたうえで、一緒に話し合って決めたりすると自分事として捉えることとなり責任感も芽生えます。

 

最初から完璧にしようと考えずに、途中で行き詰ったらもう一度話し合って見直すようにして、自分で決めたというプロセスが正しい自己受容につながるのです。

 

 

 

ありのままの子どもが大切な存在であることを伝える

子どもの存在そのものを認めることがとても大切です。
「いるだけで価値のある存在」であることを子どもに伝えてあげれば、ありのままの自分を受け入れることができ、自己肯定感は高まっていくはずです。

 

当たり前を当たり前だと思っていませんか?
子どもが歩けること、話ができること、子どもの目が見えること、耳が聞こえること、これらは決して当たり前ではないのです。

 

これらの当たり前とも思えることが出来ない子どもは世の中に大勢います。
そんな中、我が子は何不自由なく毎日を過ごせているとしたら、それは当たり前ではなく、それ自体が奇跡だと思いませんか?

 

もし、その奇跡に感謝するのであれば、その感謝する気持ちこそが、「子どもをありのまま受け入れる」ということなのです。

 

とってつけたように褒めたりする必要などありません。
当たり前のように見える我が子の奇跡に、感謝することが出来れば、何も言わなくても子どもには必ず伝わることでしょう。

 

 

 

結果ではなくプロセス(過程)に注目する

テストや成績の結果ばかりを評価せず、結果が良くても悪くてもどちらであってもその結果に至るプロセス(過程)を子どもに聞いて、成長している点を注意深く見つけましょう。

 

学校での勉強は、子どもの成長を促すために行っているわけですから、今回はどこが成長したのだろうと関心をもって見ていくと、今まで見過ごしていた中にものすごい発見があるかもしれません。

 

親が評価する項目を成績や点数ではなく、成長した点ということに変わったとしたら、子どもの意識もそこに向かうはずです。

 

一方で親が結果のみを評価していると、期待されている結果が出せないと自分で判断した時点でがんばることを諦めてしまったり、期待に応えられない自分にダメ出しをして自分を責めたりするようになります。

 

もちろん、我が子が悪い成績をとってきたら心配になりますが、怒ったところで何一つ解決しないことは明白ですので、そこはぐっとこらえて、結果ではなく成長した点に注目するように意識を変えていきましょう。

 

 

 

他人と比較しない

他人と比較してしまうことは、子どもにとって好ましくはありません。
比較ばかりされていると、他人の目ばかり気にするようになってしまいます。

 

周りの大人は、特に成績についてはつい他人と比較してしまいがち。
しかし自己肯定感を高めるためにも、兄弟姉妹や同級生と比べて評価することはやめ、その子の自分らしさを大切にしてあげましょう。

 

成績を比べていいのは、お子さま自身の過去の成績のみです。
「1学期に比べて、2学期はこんなこともできるようになったね」など、子どもの成長やがんばりに目を向けたいですね。

 

自己肯定感を下げずに「子どものやる気を引き出すコツ」については、以下でもご紹介しています。
子どものやる気を引き出すコツ、やる気を打ち消すNG行動

 

 

 

 

【まとめ】子どもの自己肯定感を高めるには自己受容と周囲の対応が重要

子どもの自己肯定感を高めるためには、まず正しい「自己受容」を得ることが重要です。

 

自己受容とは、長所だけでなく欠点についても理解し、そのままの自分を認めること。
ありのままの自分に存在価値があると、自信を持てる感覚が「自己肯定感」です。

 

子どもの自己肯定感は、日常生活はもちろん学習面にも大きく作用します。
自己肯定感が高い子どもは、積極的に物事に取り組み、相手を尊重することができるようになります。

 

逆に自己肯定感が低いと、物事をネガティブに捉えやすくなったり、中には挑戦を嫌がって積極的な学びができず、学力が落ちてしまう場合も。
これを避けるためには、周りの大人の対応が重要です。

 

ありのままの子どもを認めて、子どもの自己肯定感を高めてあげましょう。これは、子どもに最も影響力がある親だからできることなのです。

 

「心配だから」と親がなんでも決めてしまわず、まずは子どもにゆだねる。
失敗したら「失敗しても大丈夫。挑戦したことがえらかった!」「次はどうやったら成功するか考えてみよう」など、子どもを認めるポジティブな言葉かけを意識したいですね。

 

学校や塾などの集団では、どうしても他者との競争・比較によって評価される環境ですので、自己肯定感が低い状態のお子様の場合は、まず正しい自己受容を作ってから、少しずつ自己肯定感を高めていく教育が必要となります。

 

お子様ひとり一人の状況に合わせて、個別対応してくれる家庭教師のファミリーなら、お子様の成長を間近で見ながら保護者様も一緒に学べるはずです。

 

ご興味のある方はお気軽に、資料請求や無料体験をご利用ください。

 

著者ファミリー 代表 寺井俊行

大学生の家庭教師が主流の中、顧客からのより専門的で高度な要求に応えるため、教師のプロフェッショナルとして、質の高い授業を提供。

常にハイレベルな授業を提供できるように、日々指導法や教材の研究等を行い、また、大学生や一般の家庭教師に対して研修や授業のアドバイスを行うことで、ファミリー全体の授業スキルの向上を図っています。

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